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事業承継と事業継承の違いとは?
事業の未来を左右する重要な局面の1つに、事業の引き継ぎがあります。
しかし、「事業承継」と「事業継承」という、難しそうな似て非なる言葉に戸惑う方も少なくないでしょう。
本稿では、この企業の持続的な発展に不可欠な2つの概念の違いを分かりやすく解説していきます。
事業承継とは何か
事業承継とは、企業の経営権や資産、理念などを次の世代に引き継ぐプロセスのことです。
具体的には以下のような要素が含まれます。
・経営権の移転
・資産の引き継ぎ
・経営理念の継承
経営権の移転
事業承継の核心は、経営権の移転です。
これには株式の譲渡や、役員人事の変更などが含まれます。
資産の引き継ぎ
事業に必要な有形・無形の資産を次に引き継ぐことも、事業承継の重要な要素です。
不動産や設備、知的財産権などが対象となります。
経営理念の継承
創業者の思いや企業文化を守りつつ、新しい時代に適応させていくことも事業承継の一環です。
事業継承の本質
一方、事業継承は事業承継よりも、やや範囲の広い概念になります。
以下のような特徴があります。
・事業モデルの継続
・M&Aによる継承
・社会的価値の維持
事業モデルの継続
事業継承の場合は、企業の事業モデルそのものを継続させることに重点が置かれます。
なので、継承先は必ずしも親族や従業員に限定されません。
M&Aによる継承
M&Aによる他社への事業譲渡も選択肢の一つとなります。
これにより、事業の存続と発展が図られます。
社会的価値の維持
事業継承では、その企業が社会に提供してきた価値を維持・発展させることが重視されます。
事業承継と事業継承の主な違い
両者の違いを明確にするため、以下の点に注目してみましょう。
・対象範囲
・焦点
・方法論
対象範囲
事業承継は主に親族や従業員への引き継ぎを指しますが、事業継承はそれ以外の形態も含みます。
焦点
事業承継は経営権や資産の移転に焦点を当てますが、事業継承は事業モデルの継続性が重視されます。
方法論
事業承継では相続や贈与が主な手段ですが、事業継承ではM&Aなどで外部に渡すことも重要な選択肢となります。
まとめ
事業承継と事業継承について解説しました。
この2つは似て非なる概念ですが、両方とも企業の持続的発展に不可欠な過程です。
経営者は自社の状況やビジョンに応じて、専門家のアドバイスを受けながら、慎重に計画・検討を進めることをおすすめします。